2024年08月29日
こんにちは!ぐーどろの開発担当ユウキです!🍡
kintoneでは毎月アップデートがあり機能が追加・拡張されます。8月から使えるようになった「新しいファイル読み込み方式」が便利そうだったのですが、具体的なインポート方法やインポート結果についての記載がなかったため試してみました。
kintoneアップデートとアップデート情報のチェック
kintoneでは毎月アップデート・開発中の機能の公開があり、様々な機能が追加されたり拡張されます。
開発時にアプリの設定をさわっていて変更された箇所に気づくことができる場合もありますが、アップデート情報をチェックしていないと気づけなさそうだなという細かな変更点も多くあります。
アップデート箇所に気づけないことによって、欲しかった機能を諦めたままになってしまったり、プラグインの導入やカスタマイズをして開発時間・費用的にも遠回りになってしまうことも起こり得るかもしれませんので、定期的に確認をすることをお勧めします。
この記事がアップデート情報をチェックするきっかけになればと思います。
新しいファイル読み込み方式について
従来のファイル読み込みでは、読み込むデータに不備があるとエラーとなり、正常に読み込みができる行も含めすべての行の読み込みが中止されます。エラーが起こった全ての項目に対してエラー原因を確認することができますが、エラーの確認はファイルの読み込みを行ったユーザーしかできず、エラー内容は3日経つと確認できなくなります。
また、ルックアップフィールドの取得元のフィールドが重複禁止になっていない場合はルックアップフィールドへのデータの読み込みができません。
今回のアップデートからファイル読み込み時に
・新しいファイル読み込み方式を利用する
・従来のファイル読み込み方式を利用する(デフォルトで選択されている)
どちらかを選択できるようになったようです。
「新しいファイル読み込み方式を利用する」を選択した場合、更にオプションとして「読み込みエラーを検知した場合、それ以降の行は読み込まない」を選択できます。
テスト用アプリの用意
今回、テスト用にkintoneアプリストアにある顧客リストを少し編集したアプリを用意しました。
「顧客ランク」はドロップダウンで選択肢が”A”,”B”,”C”の3つです。
テーブル内の「部署名」はドロップダウンで選択肢が”営業”,”情報システム”,”企画”の3つです。
「新しいファイル読み込み方式を利用する」を選択した場合のエラー対応
パターン①:「読み込みエラーを検知した場合、それ以降の行は読み込まない(オプション)を選択しない場合
20件のデータのうち3件、「顧客ランク」の値を選択肢に存在しない”D”にして読み込みを行います。
ファイル読み込みを行い正常に読み込みができなかった行がある場合は、正常に読み込むことができた行は全て読み込まれ、不備のある行とエラー原因をCSVファイルでダウンロードできるようになっていました。
画面上ではエラー内容を確認できず、ファイルをダウンロードしないといけなくなったようです。
また、読み込みできなかった行があってもステータスは完了になるのですね。
実際にファイルをダウンロードして開いてみると……
読み込みできなかった行だけが表示され、それぞれのエラー原因が記載されているのでデータの修正がしやすいです。
データの形式が、元々読み込みをした列すべて+読み込まれなかった原因のため、
ダウンロードしたファイル上で直接データを修正してそのまま再読み込みもできるので、作業時間が大幅に短縮されそうです!
パターン①+α:テーブルがある場合
テーブル内でエラーが起こった場合はどうなるのでしょうか。
テーブルの複数行に不備データがある(画像赤枠)、テーブルの1行目に不備データある(画像青枠)、テーブルの2行目以降に不備データがある(画像緑枠)
上記のようなデータを用意しました。
読み込んでみると、読み込まれなかった行が6行ということで、データに不備があるレコード自体が更新されないことが分かりました。
ファイルをダウンロードして確認をします。
テーブルのどの行に不備があっても、複数行不備があってもエラーの原因が記載されています。
1行でも不備があれば読み込まれず、本来読み込みできる行もファイルに書き出されるということで、このファイル1つでデータの修正と再読み込みができますね。
とても分かりやすく、作業しやすくなっていて感動しました。
パターン②:「読み込みエラーを検知した場合、それ以降の行は読み込まない(オプション)を選択した場合
こちらも先ほどと同様、20件のデータのうち3件、「顧客ランク」の値を選択肢に存在しない”D”にして読み込みを行います。
ファイル読み込み時に正常に読み込めない行があった時点で、それ以降の行の読み込みが止まります。
こちらもエラーの原因と読み込まなかった行をCSVファイルでダウンロードできます。
エラーがあった時点で読み込み処理が止まるということで、データのチェックもされず、処理が止まった行以降にエラーになる行があった場合、エラー原因は表示されないようです。
(赤枠が不備データ)
パターン②+α:テーブルがある場合
テーブルの2行目に不備データを作成し、読み込んでファイルをダウンロードします。
レコード単位での読み込みになるので、テーブルの2行目以降にエラーがある場合、1行目も読み込まれず、「読み込まれなかった原因」は空欄になりました。
「新しいファイル読み込み方式を利用する」を選択した場合のルックアップフィールド
従来の読み込み方式では、ルックアップフィールドの取得元のフィールドが重複禁止になっていない場合はルックアップフィールドへのデータの読み込みができませんでした。
仕方ないとはいえ、ルックアップのキー項目を1つしか指定できない以上、データが重複することから取得元のフィールドを重複禁止にできないことが多々あり、ファイルで一括更新できないのはかなり不便でした。
取得元データに読み込む値と一致するデータが1件しか無い場合は重複禁止になっていなくても読み込みできるようになったとのことで、早速試してみます。
取得元のアプリに2件データを登録しました。
読み込むファイルにはこのようにデータを用意しました。
読み込んでみると……3行全て読み込まれました。
「ぐーどろ」はルックアップで直接取得した際、候補に「株式会社ぐーどろ」と「ぐーどろ」の2件が表示されるので、エラーになるかと思ったのですが、読み込まれました。
完全一致するデータがあればOKなのでしょうか……
少しデータを変えてみます。
これで2行目の「ぐー」はマスタデータに完全一致するデータが無く、候補が「株式会社ぐーどろ」と「ぐーどろ」の複数件ある状態だと思うので、エラーになるはずです。
読み込んでみます。
予想通り、「ぐー」はエラーとなりました。
しかし、なぜか先ほど読み込みが成功した「株式会社」もエラーになってしまいました。
また、テーブル内にルックアップフィールドがある場合はどうなるか試してみたところ、ファイル読み込み時のフィールド紐づけができませんでした。
原因不明のため、サイボウズ社に問い合わせ中です。原因が判明したら本記事を更新します。
まとめ
今回は、新しいファイル読み込み方式について色々検証してみました。
ルックアップフィールドの読み込みだけ少し謎な部分がありましたが、その他はとても便利でこれからデータを更新する作業が捗りそうで嬉しいです。
〇便利になったと感じた点
・エラーになった行以外を読み込むことができ、エラーになった行だけをCSVファイルにエクスポートできる。
・読み込まれなかった行についてCSVファイルでデータと原因をダウンロード後、他のユーザーに共有できる。
・読み込まれなかった行をまとめたCSVファイルに、元々読み込む予定だった列が全て含まれているため、
CSVファイル上でそのままデータを修正、再度読み込みができるので作業が楽。
〇従来のファイル読み込み方式の方が良いなと感じた点
・全くありませんでした。
・強いて言えばルックアップの更新基準が少し謎な点。
アップデートの詳細は、8月はこちら
新しいファイル読み込み方式と従来のファイル読み込み方式についてのヘルプページはこちら
ぐーどろについて
ぐーどろではkintoneの導入支援や開発、エクセル形式入力をkintoneに足せるSpreadsheetプラグイン、GoogleMapを足せるGoogleヒートマッププラグインなどを提供していますので、ぜひお気軽にご相談ください。
プラグインをすぐに試せるオンラインデモや30日無料お試しもご提供しておりますので、ぜひ以下のリンクからお試しください。
ページ下部のフォームからもkintoneの導入支援や開発についてご相談いただけます。
・🕺ダウンロードなしですぐに試せるオンラインデモサイト(ID/Pass: tokyo/tokyo)