2025年08月31日
顧客リストへの地図情報追加で実現する顧客訪問の効率化
株式会社西部技研は、独自のハニカム技術を搭載した空調機・除湿機などの製造を行う会社だ。空気をクリーンにしたり、排気から有害物質を取り除くといった空気環境の創出に関する製品・ソリューションの開発、および設置やメンテナンスまで手がける。
kintoneを全社的な業務システムとして活用し、製品のメンテナンス部門においてはKマッププラグインを使って顧客先の効率的な訪問スケジュール立案に役立てている。Kマッププラグインの導入に至る経緯やその効果について、担当の本田様・矢幡様にお話を伺った。
◆導入前の課題や背景
メンテナンス部門が機器の保守作業で顧客を訪問する際、「併せて近隣のお客様へご挨拶や困りごとがないかのヒアリングに回りたい」という要望があった。しかし現行の顧客リストには住所情報しかないため対象顧客の選定が困難であった
◆導入の決め手
「訪問先と周辺の顧客情報を地図上で表示したい」というニーズに最もマッチしており、かつ手軽で使い勝手が良かった
◆導入後に得られた効果
単一の訪問先だけでなく、周辺の顧客も一目で把握でき、訪問計画を立てやすくなった
お客様の理想の空気環境を創出する株式会社西部技研
西部技研は福岡県古賀市に本社を構え、全国10か所以上に工場とサービス拠点を持ち、空気に関する幅広いソリューションを提供する会社だ。デシカント空調機・除湿機(空気の湿度を適切に管理しながら、省エネルギー化・快適性を実現する空調機器)をはじめ、西部技研にしかない固有技術をベースとした空気処理機器を扱う。
西部技研の技術は数々の学会・工業会における受賞歴を持つほか、中国・韓国・アメリカ・ヨーロッパにグループ会社を有し、国内だけでなくグローバル市場においても確固たる地位を築いている。
1965年の創業以来、西部技研はいち早く世界の環境問題に注目し、省エネ製品や環境負荷の低い製品を開発し続けてきた。その哲学は「環境に優しい空気のソリューションを届ける。」というパーパスとして今も受け継がれている。独自の発想と技術で設計・製造・運用保守まで一貫して対応し、社会に貢献するものづくりに強みを持つ。
Kマッププラグイン導入前の課題
西部技研では2019年より全社的にkintoneを導入し、400を超えるアプリを使いながらワークフロー管理やERPの入力インターフェースとして利用してきた。その中でKマッププラグインを活用しているのは、空調機器の稼働後の保守を手がけるメンテナンス部門だ。
「メンテナンス部門では顧客先を訪問する際、近隣の顧客にも挨拶まわりをしています。しかし住所リストのみでは位置関係が把握しづらく、現場では従来から『訪問先やその周辺にある顧客の拠点を地図表示して、視覚的に見られるものがほしい』というニーズがありました」と本田様は話す。
kintoneによって、タブレット端末から顧客データベースの確認や保守点検結果の報告などができる環境はあったものの、現場からはもう一歩踏み込んだ「パッと地図を見てすぐ動ける効率性」が求められていた。そこで無駄なく顧客先をまわるため、各担当者が持つタブレット端末で操作できるマップツールの導入を検討し始めた。
Kマッププラグインを導入した理由
「複数のマップツールを検討しましたが、利用できるデバイスが限定的だったり、ピンの色分け設定が複雑なものなどもあり、決め手に欠けていました。そんな中で、訪問先とともに周辺の顧客情報も地図表示したいという当社のニーズに最も近かったのがKマッププラグインだったことから、導入を決めました」と本田様は振り返る。
また矢幡様は「GoogleとのAPI連携はハードルが高そうだと思っていましたが、事前にその点のサポート体制があることがわかり、導入後のイメージをしっかりと描くことができ安心感を覚えました」と話す。
現在はメンテナンス部門の社員30名ほどがKマッププラグインを使用し、遠方で土地勘のない場所でも効率的に顧客先をまわれるようになった。
Kマッププラグイン導入後の変化
Kマッププラグインのピン機能でマップ上に製品の種類を表示するとともに、ヒートマップで納品先が多いエリアを視覚的に見分けられるようになったことは、大きな業務効率化につながっている。直感的に位置情報を確認できる点は、現場からも好評だ。
矢幡様は導入後の変化について「以前は納品先名簿しかなかったものが、目的の顧客だけでなく周辺の顧客も同時に把握できるようになり、『訪問する日はこことここも一緒にまわろう』と予定を組みやすくなりました」と説明する。
また西部技研では、目的地周辺に位置する顧客を検索できる独自のカスタマイズ開発も行っている。
(Kマッププラグインにおいても、今後のアップデートで類似機能を搭載予定)
「例えば15キロ圏内と選択すると、それに応じた緯度・経度を計算し、指定地点から15キロ圏内に位置する顧客を地図上に表示する仕様です」と矢幡様は話す。
Kマッププラグインに今後期待すること
今後のKマッププラグインへの期待として、本田様は「マップの初期表示位置をユーザーの勤務地別や、前回表示した位置にするともっと使い勝手が良くなると思います。当社は全国に拠点がありますから、自分の勤務地でない場所から地図を移動させる手間はできるだけ省きたいところです」と語った。
今後の展望については「現在手作業している勤怠管理をkintoneでシステム化したり、見積もりデータから社員自身で原価や利益を把握できるような見せ方ができればいいなと考えています。また給与計算もデータ化すれば、社労士への依頼が簡単にできるようになる可能性もあると思っています」と語った。
加えて矢幡様からは「現状ではピンの出し方をデータの一覧ごとに設定していますが、この設定内容を別の一覧にもコピーできると便利です。そうすれば設定の間違いを防げますし、ゼロからピンの条件を入力する手間も省けます」と、これからのアップデートに期待している旨をおうかがいした。(Kマッププラグインは年5回ほどアップデートを行っており、今後のアップデートでの取り込みに向けて機能改修を検討中)
住所リストだけでは把握しづらい顧客の位置関係を視覚的に確認できるようになったことで、訪問計画の立案が効率化された西部技研。そのビジネスを後押しするため、Kマッププラグインでは今後も機能面のアップデートと的確なサポートに努めていきたいと考えている。
株式会社西部技研コーポレートサイト – あらゆる空気に、あらたな価値を。
参考情報
・ぐーどろの提供するkintone開発支援サービス紹介資料ダウンロード
・Kマッププラグイン製品紹介ビデオ