2025年06月11日

普段使いのGoogleマップ を ビジネス活用しよう!Google Maps Platform入門
はじめに:あのGoogleマップが、ビジネスの強力な味方になる?
「今日のランチ、あのお店までどうやって行こうかな?」「週末の旅行、効率よく観光地を巡るには?」– こんな時、多くの方がスマートフォンやパソコンでGoogleマップを開くのではないでしょうか。道案内はもちろん、お店の口コミをチェックしたり、電車の乗り換えを調べたりと、私たちの日常生活にGoogleマップはなくてはならない存在です。
では、もし、この日常的に使っているGoogleマップの「スゴい機能」を、あなたのビジネスにも活かせるとしたらどうでしょう?顧客データや売上情報といった、普段見慣れたExcelの表やリストが、地図と結びつくことで新たな価値を生み出すかもしれません。
この記事では、普段使いのGoogleマップが持つ、ビジネス向けの隠れた力「Google Maps Platform」について、その基本的な機能から、あなたの仕事でどのように役立つのかまで、分かりやすく解説していきます。地図の力を味方につけて、あなたのビジネスを次のステージへと進めるヒントを見つけていきましょう。
目次
・Google Maps Platformって何? – いつものGoogleマップとの違いをスッキリ解説
・Google Maps Platformを支える3つのチカラ – 主要APIの種類とできること
・【イメージしてみよう】Google Maps Platformとビジネスデータの融合
・具体的な活用シーン:Google Maps Platformでビジネスがこう変わる!
・まとめ:Google Maps Platformで、あなたのビジネスに「地図の力」を
Google Maps Platformって何? – いつものGoogleマップとの違いをスッキリ解説
まず、「Google Maps Platform」と、私たちが普段使っている個人向けのGoogleマップとの違いについてご説明します。
一番大きな違いは、Google Maps Platformがビジネスでの利用を前提としたサービスであるという点です。個人向けのGoogleマップは、主に個人が情報を検索したり、場所を把握したりするために使われます。一方、Google Maps Platformは、企業が自社のウェブサイトやアプリケーションにGoogleマップの様々な機能を組み込み、独自のサービスを提供するために設計されています。
では、なぜ多くの企業が有料のGoogle Maps Platformを選ぶのでしょうか?その理由は、「カスタマイズ性の高さ」と「拡張性」にあります。例えば、自社のブランドイメージに合わせて地図のデザインを変更したり、地図上に自社独自のデータ(店舗情報、顧客情報、物件情報など)を大量に表示させたりすることが可能です。また、個人向けサービスでは利用できない、より高度な機能や詳細なデータにもアクセスできます。
こうした機能を自社サービスに組み込むために使われるのが、「API(エーピーアイ:Application Programming Interface)」です。「APIって何?」と難しく感じるかもしれませんが、これは一言でいうと「 外部のサービスと機能を連携させるための『接続口』 」のことです。
このAPIという接続口を使うことで、Googleマップが提供する特定の機能を、自社のサービスに部品のように組み込んで利用できるようになります。これにより、一から地図機能を作る必要なく、あなたのシステムとGoogleマップの機能が連携し、様々なことが実現できるようになります。
Google Maps Platformを支える3つのチカラ – 主要APIの種類とできること
Google Maps Platformには、ビジネスの多様なニーズに応えるために、大きく分けて3つの主要なAPI(機能群)が用意されています。それぞれのAPIがどんな「魔法」を使えるのか見ていきましょう。
API群 | 主な機能 | 具体的な活用例 |
Maps API | ・地図を表示・カスタマイズする | ・会社のアクセスページに地図を表示する ・全国の店舗一覧を地図上にプロットする |
Routes API | ・最適な移動ルートや所要時間を計算する | ・営業担当者のための最短訪問ルートを作成する ・複数の配達先への配送計画を最適化する |
Places API | ・場所の詳細情報(住所、営業時間など)を取得 ・住所と緯度経度の相互変換 |
・顧客住所から正確な位置を特定し地図に表示する ・新規出店エリアの競合店を分析する |
① 地図を自在に表示・操作!「Maps API」群
これは、皆さんが最もイメージしやすい「地図の表示」に関する機能です。
自社ウェブサイトやアプリに、おなじみのGoogleマップを埋め込める
例えば、会社の「アクセス」ページに地図を埋め込んだり、イベント会場の場所を表示したりできます。
地図のデザインをカスタマイズしたり、独自の情報を重ねて表示できる
顧客の所在地をピンでプロットしたり、不動産物件の情報を地図上に表示したり、特定のエリアを色分けして見やすくしたりと、見た目を自由に調整できます。
(例:全国の店舗一覧を地図上にプロットして、お客様が最寄りの店舗を簡単に見つけられるようにする、不動産会社のウェブサイトで物件情報を地図と連携させて表示する、など)
② 移動と経路を最適化!「Routes API」群
移動や経路に関する「効率化」を実現する機能です。
最適な移動ルートや所要時間、距離を計算
出発地から目的地までの最適なルートを、リアルタイムの交通状況を考慮して計算してくれます。
複数の訪問先を効率よく回るためのルート計画
複数の顧客を訪問する営業担当者や、複数の配送先を回るドライバーのために、最も効率的で時間の短い巡回ルートを自動で作成できます。
(例:営業担当者が1日に5件の顧客を回る際の最短ルートを自動で作成し、移動時間を大幅に短縮する、配送センターから複数の配達先への最適な配送計画を立てる、など)
③ 場所に関する情報をまるっと取得!「Places API」群
「場所」に関するあらゆる情報を取得できる、非常に強力な機能です。
特定の場所の詳細情報(住所、電話番号、営業時間、口コミなど)を取得
顧客が入力した住所が正しいかを確認したり、提携先の店舗情報を自動で取得して表示したりできます。
周辺の施設を検索(「近くのカフェ」「駐車場」など)
自社の店舗の近くにある競合店や、顧客が利用しそうな周辺施設を検索して分析できます。
住所を緯度経度に変換、またはその逆も可能
顧客の住所データ(文字列)を地図上の正確な位置情報(緯度・経度)に変換したり、その逆を行ったりできます。これにより、住所データを地図上で活用できるようになります。
(例:顧客管理システムに登録された住所から正確な位置を特定し、地図上に表示する、新規出店を検討しているエリアの競合店の情報を自動で収集・分析する、など)
これらのAPIを組み合わせることで、企業は自社のサービスや業務に合わせた多様な地図ソリューションを構築できるのです。
【イメージしてみよう】Google Maps Platformとビジネスデータの融合
さて、ここまでGoogle Maps Platformの基本的な機能とAPIの種類について見てきました。では、これらの機能が、皆さんの会社にある「データ」と結びつくと、一体どんな可能性が広がるのでしょうか?
多くの企業では、日々の業務の中で様々なデータが蓄積されています。例えば、あなたの会社には、たくさんの「住所データ」が眠っていませんか?Excelで管理している顧客リスト、営業担当者が日々更新している案件管理表、あるいは店舗のPOSシステムから得られる顧客の購買履歴など。これらのデータには、すべて「場所」の情報が含まれています。
もし、これらの情報が地図と連携するとどうなるでしょうか?
顧客の分布が一目瞭然に: どの地域に顧客が多いのか、少ないのかが地図上で色分けされたり、ピンで表示されたりすることで、視覚的に把握できるようになります。
売上や問い合わせが多いエリアの特定: 顧客データと売上データを地図上で重ね合わせることで、「このエリアの顧客は売上が高い」「この地域からの問い合わせが多い」といった傾向を発見できます。
これまで気づかなかったビジネスチャンスの発見: 地図上で自社の顧客分布と競合店の分布を比較することで、まだ手薄なエリアや、新たなビジネス展開の可能性のある地域が見えてくるかもしれません。
このように、普段は表やリストでしか見えなかったデータが、地図と結びつくことで、新たな「気づき」や「発見」をもたらしてくれるのです。このように、既存のビジネスデータを地図というフィルターを通して見ることで、これまで見えなかった傾向や課題、そして新たなビジネスチャンスが浮かび上がってくるのです。まさに、社内に眠っていたデータが「宝の地図」に変わる瞬間と言えるでしょう。
具体的な活用シーン:Google Maps Platformでビジネスがこう変わる!
Google Maps Platformとビジネスデータが連携することで、具体的にどのような業務改善や新しい価値創造が期待できるのでしょうか。いくつかの代表的な活用シーンをご紹介します。
■営業戦略・エリアマーケティングに活用
顧客分布を地図で可視化し、営業テリトリーの最適化:
営業担当者の担当エリアを地図上で明確にし、顧客の密度に合わせて効率的なテリトリー分けができます。
見込み客が多い未開拓エリアの発見とアプローチ戦略:
既存顧客のデータから、まだアプローチできていないけれど、顧客になりそうな層が多く住んでいる地域を特定し、効果的なマーケティング戦略を立てられます。
■店舗開発・運営に活用
既存店の商圏分析と、新規出店候補地の選定:
既存店舗の顧客がどこから来ているのかを地図上で分析し、売上を最大化できる新規出店候補地をデータに基づいて選定できます。
■物流・配送業務の効率化に活用
リアルタイム交通情報を考慮した最適な配送ルート計画:
渋滞情報などをリアルタイムで反映し、常に最短・最速の配送ルートを算出。燃料費の削減やドライバーの負担軽減に繋がります。
車両の現在位置を地図上で把握し、指示を最適化:
配送車両の現在位置を地図上でリアルタイムに把握し、急な配達依頼やトラブル発生時にも的確な指示を出せます。
まとめ:Google Maps Platformで、あなたのビジネスに「地図の力」を
いかがでしたでしょうか?普段何気なく使っているGoogleマップの裏側には、ビジネスを大きく変える可能性を秘めた「Google Maps Platform」という強力なツールが存在しています。
Google Maps Platformは、単なる地図表示ツールではありません。あなたの会社が持つ様々な「場所」に関するデータと連携することで、これまで見えなかったビジネスの傾向やチャンスを「見える化」し、よりデータに基づいた意思決定を強力にサポートしてくれます。
まずは、あなたの会社にあるどんなデータと地図を連携できるか、そしてそれによってどんな新しい発見があるのか、ぜひ想像してみてください。位置情報の力を活用して、あなたのビジネスを次のステージへと進めていきましょう。
この記事が、みなさまの業務の課題解決のヒントとなれば幸いです。簡単にkintoneとGoogleマップを連携できるツール「Kマッププラグイン」にご興味をお持ちいただけましたら、ぜひお気軽にお問い合わせください。
・🕺ダウンロードなしですぐに試せるオンラインデモサイト(ID/Pass: tokyo/tokyo)
・Kマッププラグイン製品紹介ビデオ