【初心者向け】kintone API連携とは?活用事例・実装方法をやさしく解説

2025年12月13日


「kintoneに蓄積したデータを、会計ソフトにも自動で転記したい」
「APIという言葉は聞くけれど、難しそうで手が出せない…」

kintoneを使いこなしていくと、必ずぶつかるのが「他システムとの連携」の壁です。しかし、この「API連携」こそが、kintoneを単なるデータベースから業務の中枢システムへと進化させる鍵となります。

本記事では、技術者でない方でも理解しやすいように、kintone API連携の基本から、業務がどう便利になるのか、そして具体的な実現方法までをわかりやすく解説します。地図表示や外部ツール連携など、明日からの業務改善のヒントとしてご活用ください。

1. 【基礎知識】kintone API連携とは?仕組みとできることを図解で解説

APIとは?(kintoneと外部ツールをつなぐ「窓口」)

API(Application Programming Interface:アプリケーション・プログラミング・インターフェース)とは、異なるシステム同士がデータをやり取りするための「共通の窓口」 のようなものです。

通常、kintoneのデータを見るには、人間がブラウザを開いて画面を見る必要があります。しかしAPIを使えば、プログラムや他のWebサービスがkintoneに対して「このデータをください」「このデータを登録しておいて」と指示を出せるようになります。

kintoneでAPI連携を行うメリットと役割

API連携を行う最大のメリットは、「手作業の排除」と「データのリアルタイム共有」です。

 ・入力ミスの削減: AシステムからBシステムへ手入力で転記する必要がなくなるため、人的ミスを防げます。
 ・業務スピード向上: 注文が入ったと同時に在庫を減らすなど、タイムラグのない処理が可能になります。

kintone APIで実現できる「3つの機能」

kintoneが提供しているAPI(REST APIなど)を使うと、主に以下の3つの操作が可能になります。

1.レコード操作(取得・登録・更新・削除)

外部システムからkintoneに新しいレコードを作ったり、逆にkintoneのデータを読み取って外部サイトに表示することができます。

2.外部サービスとのデータ連携

SlackやTeamsへの通知、freeeなどの会計ソフト、SalesforceなどのSFAツールとデータを相互にやり取りできます。

3.バッチ処理などの自動化

夜間に大量のデータを一括で集計したり、古いデータをアーカイブしたりといった定期処理をプログラムに任せることができます。

2. 業務が劇的に変わる!kintone API連携の具体的活用シーン

では、実際にAPIを使うと業務はどう変わるのでしょうか。代表的な3つのシーンを見てみましょう。

1. 【バックオフィス】販売管理・会計ソフトとの基幹システム連携

経理担当者が毎月苦労しているのが、kintone上の請求や売上などに関わるデータを会計ソフト(freeeやマネーフォワードなど)に打ち直す作業です。

API連携を行えば、kintoneで「請求書発行」ボタンを押した際に、会計ソフト側に仕訳データが自動登録される仕組みを作ることができます。二重入力の手間や転記ミスがなくなり、月次決算の早期化にもつながります。

2. 【営業・マーケ】SFA/CRMとの顧客情報一元化・同期

「Webサイトからの問い合わせ」や「展示会での名刺データ」が別のツールに入っていませんか?

例えば、HubSpotなどのマーケティングツールとkintoneをAPIでつなげば、ユーザーが資料請求フォームを送信した時点でkintoneへ自動登録 → 営業へ通知といった仕組みが構築できます。

3. 【管理者向け】日次・月次レポートの自動集計・通知

毎日の売上報告をExcelで集計している場合も、APIで自動化できます。

夜間にAPIを使って全支店の売上データを取得・集計し、翌朝9時には社長や管理職のチャットツール(Slack/Teams)に「昨日の売上速報」として自動投稿する、といった仕組みも実現可能です。

3. API連携の実現方法とおすすめ連携パターン3選

API連携には複数の実現方法がありますが、「どれを選べば良いか」は目的や利用ツールによって異なります。ここでは代表的な実現パターンをご紹介します。

実現方法は2通り!「個別開発」と「プラグイン活用」の違い

kintoneのAPI連携を実現するには、大きく2つの方法があります。

1.個別開発(プログラミング)

JavaScriptやPythonなどのプログラム言語を使って、自社の業務にフィットする仕組みを一から作る方法です。自由度は高いですが、専門知識が必要です。

2.連携プラグイン・外部連携サービスの活用(ノーコード)

すでにAPI連携の機能がパッケージ化された「プラグイン」を導入する方法です。設定画面で操作するだけで連携が完了するため、非エンジニアでも扱いやすいのが特徴です。

パターンA:営業支援|SFAツールとのデータ自動連携

SFA(営業支援システム)との連携は、利用するサービスによって「つなぎ方」が少し異なります。

● Salesforce

kintoneにプラグインを入れるだけでは足りないケースが多く、ETLツール(DataSpider など)や iPaaS(Yoom / Zapier など)といった中継ツールを挟むのが一般的です。

● HubSpot

標準アドオンでkintone同期設定が用意されており、簡単に連携できる場合があります。

こうしたAPI連携により、「営業部門は使い慣れたSFA、事務部門はkintone」と最適なツールを使い分けながら、データの二重入力をなくすことが可能になります。

パターンB:社内業務|勤怠システム・社内ポータルとの統合

打刻データや申請データをkintoneに集約したい場合、主要な勤怠システム(KING OF TIMEなど)などAPIでデータを操作できるサービスであれば、ETLツールを活用することで低コストで連携が実現します。

「勤怠システムで打刻された勤務時間データを、API経由で毎日kintoneの日報アプリや給与計算アプリへ自動転記する」といった統合環境を、一からプログラムを書くことなく構築することも可能です。

パターンC:業務を可視化、意思決定を高速化|位置情報の活用

「災害時に、どの従業員が危険エリアに住んでいるか即座に把握したい」 「訪問介護や営業活動で、移動の無駄をなくして効率よく回りたい」

こうした業務課題において、「位置情報(場所)」は意思決定を左右する非常に重要な要素です。しかし、kintoneに登録されているのは基本的に「住所」や「エリア名」といった文字情報です。この情報をAPIで地図サービスと連携することで、「誰と誰が近くにいるのか」「どのエリアが手薄か」といった文字情報を、地図上で直感的に把握できるようになります。

結果として、状況をつかんでから判断するまでのスピードを短縮することができるでしょう。

4. 失敗しないために知っておきたい注意点と開発のコツ

API連携は便利な一方で、運用を始めてから「こんなはずじゃなかった」とならないためために、いくつか押さえておきたいポイントがあります。

設計時に確認すべきAPIの利用制限(レート制限)

kintoneのAPIには「1日あたりのAPI実行回数」や「同時アクセス数」に制限があります。同時リクエスト数はドメイン単位、1日の実行回数はアプリ単位で上限が決まっており、スタンダードやワイドなど契約コースごとに値が異なります。

これらの制限は、すぐにシステムが止まるというより、負荷の高い設計を続けると遅延やエラーが発生しやすくなる性質のものです。 そのため、連携するデータ量と実行頻度をあらかじめ見積もり、バッチ処理や実行間隔の調整などを含めて、無理のない同期方式を設計段階で検討しておくことが重要です。

セキュリティ事故を防ぐアクセス権とAPIキー管理

APIを利用するための「APIトークン(合鍵のようなもの)」の取り扱いには厳重な注意が必要です。このキーが漏洩すると、外部からデータを盗まれたり、書き換えられたりするリスクがあります。

kintoneでは必要なアプリにだけアクセス権を与える、IPアドレス制限をかけるなど、セキュリティ設計をしっかり行いましょう。

また連携する製品にもアクセス権限の設定有無や利用者制限など、セキュリティに関する制限・設定があるかなどの確認も必要です。

自社で完結できない場合は「開発支援パートナー」に頼るのも手

「やりたいことは明確だけど、社内にエンジニアがいない」「セキュリティ設計に不安がある」

そのような時は、無理に自社だけで完結させようとせず、kintoneの開発を得意とするパートナー企業(SIer)に相談するのも一つの手です。

私たち株式会社ぐーどろも、API連携を含めた高度なシステム開発や、プラグイン導入の支援を行っています。

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API連携前に必ず確認すべきチェックリスト

■API連携前に必ず確認すべきチェックリスト

API連携をスムーズに行うためにも事前準備が重要です。以下は、導入前に必ずチェックすべきポイントをまとめました。

□ データ量と更新頻度は適切か?

  • ・APIのレート制限(1日の実行回数・同時アクセス数)に収まる設計になっているか
  • ・大量データを“リアルタイム同期”しようとしていないか

□ セキュリティは十分か?

  • ・APIトークン(キー)の管理方法は適切か
  • ・必要なアプリ・ユーザーにだけ最小限の権限を与えているか
  • ・IP制限などネットワーク側の防御策も併用しているか

□ 障害・エラー発生時の対応フローは決まっているか?

  • ・APIエラー時の通知方法(Slack等)は用意しているか
  • ・ログを取得する仕組みがあるか
  • ・復旧までの手順や責任範囲は明確か

□ 自社開発か、外部パートナー活用か判断できているか?

  • ・社内にAPI設計・保守を担えるエンジニアがいるか
  • ・複雑な連携やセキュリティ設計は外部に任せるべきか

ここまで整理できれば、API連携はぐっと進めやすくなります。

5. まずは“地図で可視化”からAPI活用を始めてみませんか?

Kマッププラグイン画像

ここまでAPI連携の可能性をお伝えしましたが、「いきなり基幹システムと連携するのはハードルが高い」と感じる方も多いはずです。

API活用の第一歩に「地図連携」が最適な理由

API活用の入り口としておすすめなのが「地図連携」です。

「顧客の位置が地図で確認できる」「次の訪問先をひと目で把握できる」といった変化は、成果が目で見て分かるため、現場にも伝わりやすいのが特長です。

小さな工夫で業務の動きが変わる体験は、社内でkintone活用を広げていく良いきっかけになります。

Googleマップ連携がノーコードで叶う「Kマッププラグイン」

私たちぐーどろが提供する「Kマッププラグイン」は、kintoneとGoogleマップをAPIでつなぐプラグインです。

難しいプログラミングは不要。プラグインを導入するだけで、kintone内の顧客リストや物件情報が、Googleマップ上にピンとして表示されます。

●ヒートマップ機能: 顧客の集中エリアを色で可視化
●モバイル対応: 外出先からスマホで物件の位置や経路を確認

といった高度な機能を、誰でもすぐに使い始められます。

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