2025年12月17日

「kintoneを導入したものの、どう活用するのが正解なのかわからない…正解が知りたい!」「他社がどう上手く活用しているのかを知りたい」
そんな方に向けて、本記事では実際に現場で成果が出たkintone活用事例を5つ厳選してご紹介します。
業種ごとの課題や、企業がどうやって“現場に根付く運用”を実現したのかをポイントとともにまとめました。これからkintoneで現場DXを進める方の、具体的なヒントになるはずです。
1.kintoneの特徴と選ばれる4つの理由

kintoneは、顧客管理・案件管理・在庫管理・問い合わせ対応など、業務に必要な情報を簡単にシステム化して一元管理できるクラウド型のノーコードツールです。
プログラミング不要で、ドラッグ&ドロップでシステムを作成したり、修正も柔軟にスピーディにできるのが特徴。
現場に合わせた「ちょうどいい業務システム」を自分たちで作り、育てていくことができます。
kintoneが多くの企業から選ばれる理由には、主に以下4つのような特徴があります。
①複数の業務を“ひとつの基盤”でつなげられる
顧客・案件・在庫・作業記録などをアプリ間で紐づけることで、情報の二重管理や転記作業を削減できます。
②現場主体で改善を進められる
Excelや紙で管理していた業務を、そのままの項目・帳票構成でシステム化できるため、現場の運用に寄り添ったデジタル化が可能です。
③組織全体のコミュニケーションをスムーズに
情報の共有・更新履歴・コメント機能など、リアルタイムでの情報流通を促し、部門連携が加速します。
④プラグインとの組み合わせで“業務特化”に進化
地図連携・帳票出力・自動通知など、プラグインを追加することで自社の業務に合わせた高度なカスタマイズも可能です。
IT人材が不足していても、“現場が自分たちで育てていける業務システム”として、自治体・製造業・建設業・サービス業など幅広い企業で活用が進んでいます。
2. kintone活用事例5選

実際にkintoneを活用して業務改善を実現した企業の事例を、業種ごとに5つまとめました。
現場でどのような課題を解決し、成果につながったのかを、わかりやすくご紹介します。
① 東レ株式会社様(総合化学メーカー)
東レ株式会社様では、新規事業として開始した心電図検査サービスの業務管理支援システムにkintoneを採用。医療機関・東レ・メディカル株式会社・物流会社・解析会社など、複数の事業者が関わるプロセスを一つのクラウドシステムで管理し、検査受付、検査ID発行、配送用バーコード生成、キット発送、返送、解析結果の納品までの一連の流れをkintone上で一元化しました。
システム開発と業務プロセスの構築を同時に進める必要がある中、kintoneの柔軟性とアジャイル開発との相性の良さを活かし、SmartBarcodeとの連携も含めて短期間で試験運用を実現。ヒューマンエラーの抑止や機器の所在管理、情報の機密性確保など、医療サービスに求められる要件を満たしつつ、現在も大きなトラブルなく安定稼働を継続しており、今後は他システム連携によるさらなる効率化も見据えています。
■ 導入ポイント
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・新規事業における業務設計とシステム開発を、kintone×アジャイルで同時並行に推進 ・医療機関・物流会社・解析会社など、複数社間の業務フローをクラウド上で一元管理 ・SmartBarcode連携により、配送状況や機器の所在をトレースしつつ、高いセキュリティ要件にも対応 |
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② 株式会社グラックス(害虫駆除・防除)
夜間作業を含む現場業務が多く、報告書作成のために毎回帰社せざるを得なかったグラックス様では、1人あたり月50〜100時間の残業が常態化していました。そこで、業務整理と並行してkintoneを導入し、報告書作成・提出、案件管理、スケジュール管理をすべてモバイルで完結できる仕組みを構築。アジャイル開発により現場の要望を随時反映し、使いやすさを保ちながら必要な機能を着実に実装していきました。
導入後は、出先で報告書を作成できるようになり、帰社後のPC作業がほぼ不要に。残業は月10時間未満へと大幅に減り、作業履歴の可視化によって属人化の解消や品質向上にもつながっています。
■ 導入ポイント
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・現場作業後の事務作業をモバイル化し、残業時間を大きく削減 ・アジャイル開発で要望を都度反映し、使いやすさと実装精度を両立 ・顧客管理・案件管理・報告書・スケジュールをkintoneで一元化し、属人化を解消 |
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③ 株式会社リプロ住設様(住宅設備・リフォーム)
富山県全域で住宅設備のメンテナンスやリフォームを行うリプロ住設様では、Excel管理による顧客情報の把握やルート確認に限界を感じ、2022年にkintoneを導入。2025年には現場判断をよりスムーズにするため、住所やステータスを地図上で可視化できるKマッププラグインの運用を開始しました。
導入後は、案件状況をピンの色で一目で把握できるようになり、現場スタッフが現在地から効率的な訪問ルートを自ら判断可能に。活動履歴からフォロー訪問や提案につながるケースも増え、業務効率化だけでなく営業面の成果にも波及。現場・管理者双方が“地図で状況を共有できる仕組み”によって、情報共有、対応品質、顧客満足度が大きく向上しました。
■ 導入ポイント
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・住所・ステータスの可視化で、現場が自立的にルート判断できる環境を構築 ・既存のkintoneアプリと連携し、Excel管理では難しかった情報一元化を実現 ・活動履歴を活かしたフォロー提案が増え、営業・サービス品質の向上にも貢献 |
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④株式会社西部技研様(産業用空調設備の研究開発・設計・製造・運用保守)
全国に拠点を持ち、空調機・除湿機などの製造から保守まで一貫して手がける西部技研様では、メンテナンス部門が顧客を訪問する際、周辺顧客への挨拶回りを効率化したいという課題がありました。住所リストだけでは位置関係の把握が難しく、現場からは「地図で一目で周辺顧客を確認したい」というニーズが高まっていたことから、kintoneと連携して使えるマップツールを検討。操作性・表示機能・運用のしやすさからKマッププラグインの導入を決めました。
導入後は、訪問先だけでなく近隣の顧客情報も地図上で一覧できるようになり、訪問計画の立案が大幅に効率化。ピン表示やヒートマップにより製品の種類や納品エリアの傾向も直感的に把握でき、土地勘がない場所でも担当者がスムーズに動ける環境が整備されました。現在は約30名のメンテナンス担当者が活用し、独自カスタマイズによる周辺顧客検索などの改善も進んでいます。
■ 導入ポイント
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・訪問先と周辺顧客を地図で同時に把握でき、訪問計画が効率化 ・タブレット端末で直感的に操作でき、土地勘のない地域でも訪問ルートを判断しやすい ・ピン表示やヒートマップにより、顧客と製品の状況を“地図で可視化”する運用が定着 |
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⑤ 下妻市役所様(地方自治体)
茨城県下妻市では、DX推進課の設立とともに庁内業務にkintoneを導入し、わずか2年で400本以上のアプリを運用する体制を構築しました。その中で、災害対応や高齢者福祉など「位置情報」を伴う業務の判断をより早く・正確に行うため、Kマッププラグインを採用。従来は住所リストから頭の中で地図を思い描くしかありませんでしたが、Kマッププラグインにより被災箇所や要支援者の居住地、道路補修の要望箇所などを地図上にプロットし、優先順位付けやエリアごとの状況把握がひと目で行えるようになりました。
現在は消防防災課・長寿支援課・建設課などで地図連携が進み、災害報告管理や高齢者支援対象者の把握、道路補修要望の管理など、多様な業務で活用されています。今後は、要介護認定者の分布や一人暮らし世帯の割合などをヒートマップで可視化し、政策立案や支援策の検討にも役立てていく構想が進んでいます。
■ 導入ポイント
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・災害対応・福祉支援・道路補修など、位置情報を伴う業務をkintone×地図で可視化 ・住所リストでは難しかった「優先順位付け」「分布の偏り」を地図上で直感的に判断 ・将来的なヒートマップ活用も見据え、政策立案にもつながる“使えるデータ基盤”を構築 |
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📘 Kマッププラグイン導入事例集
より詳しい導入背景や運用工夫をまとめた事例集をご用意しています。
自治体・製造業・サービス業など、幅広い業種での具体的な活用方法を知りたい方におすすめです。
以下から詳細をご確認ください。
3.kintone導入が“成果につながる”企業の共通点
kintoneを導入した企業は、どのように現場へ浸透させ、確かな成果へつなげているのでしょうか。
今回紹介した5つの事例を読み解くと、業種を問わず共通して機能していたポイントが見えてきました。
ここでは、導入を成功に導くための3つのポイントを整理してご紹介します。
①スモールスタートで成功体験をつくる
5つの事例に共通していたのは、最初から全社展開を狙わないこと。
まずは一部門・一業務から着手し、現場が“実際に使える形”を固めることが成果への近道でした。
小さく始めることで改善サイクルも回しやすく、成功体験を積み重ねながら他部署へ自然に横展開でき、結果として組織全体の改善につながっていきます。
②「現場が使いやすい」ことを最優先にする
kintoneは柔軟性が高い分、現場の仕事に合ったUI/UX設計が欠かせません。
現場が自分たちで触れて理解しやすく、管理者が複雑な設定をしなくても運用できる状態が整うと、日々の入力・更新が進み、“活きたデータ”が自動的に溜まる運用へと育っていきます。
事例でも、使いやすさへのこだわりが、定着と効果創出を支える共通点となっていました。
③ノーコード×プラグインで拡張しやすい基盤をつくる
kintone標準機能に加え、プラグインや外部サービスを組み合わせることで、自社の業務に最適化した形へ少しずつ拡張できる点も成功企業の特徴でした。
地図連携、帳票出力、自動通知、外部システム連携など、必要な機能を後から追加できるため、業務を止めることなく無理のないDX推進が可能になります。
4. まずは小さな改善から始めよう
ぐーどろでは、kintoneを中心とした業務アプリ開発やカスタマイズ支援、そしてKマッププラグインを用いた地図連携ソリューションを提供しています。
今回ご紹介した事例のように、「まずは業務の一部から」「地図で“見える化”から」
そんな小さな一歩から改善を始めることが可能です。
Kマッププラグインを導入いただいたお客さまの事例を、1つの資料にぎゅっと整理しました。
実際の活用シーンを詳しく知りたい方や、自社での使い方を具体的にイメージしたい方におすすめです。

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